脱サラしたらジョブオファーのようなものがきた(後編)
お待たせしました。前編からの続きです。
「空飛ぶクルマ」プロジェクトの出現
そんな悶々としていた3/7頃、一つの募集がツイッターのタイムライン上に出てきました。
「空飛ぶクルマ」の実現――。空の移動革命を導く「週一官僚」求む
テキストで概要を確認されたい方は下記のリンクからどうぞ。
60秒解説 「空飛ぶクルマ」の実現に向けて 世界初のロードマップを取りまとめ
ビズリーチ 「空飛ぶクルマ」の実現――。空の移動革命を導く「週一官僚」求む
ビズリーチという転職サイト経由での応募が必須でしたが、ウイスキーを飲みながらツイッターをしていた私は、「これだ!!!」と思い、ほろ酔いながらもすぐにビズリーチに登録。すぐさまエントリーしました。
応募しようと思い立った理由
経済産業省が「週一官僚」すなわち専門職員(非常勤の国家公務員)としての雇用での募集するという試みの面白さ、そしてそれが兼業・副業前提での募集。
このプロジェクトが解決しようとする社会課題に取り組み、かつ、新しいフィールドと職種で仕事ができる。行政に携わる醍醐味も味わえる。それも週に1度の勤務。なんてミラクルな募集で自分にピッタリなテーマなんだ!そう思いました。
これなら機械式時計の勉強と株式投資、その他やってみたいことを並行させつつも自分の経験を生かせる可能性があります。
そして週一で働けば、実家に支払っている家賃と食費代の足しにもなります(でも日当15,030円じゃちょっと足りない←切実 笑)・・・、実家の家賃、意外と高いような気が(笑)
募集している職種は2つで、それぞれ1名の募集枠のみ。
募集する職種は2つ。
各種ステークホルダーとの関係構築・マネジメントを行い、チームメンバーと連携しつつ、俯瞰的な視点でPR戦略を立案・実行し、国民の「空飛ぶクルマ」への理解や協力を促進する「パブリックリレーションズディレクター」。
引用元:ビズリーチ 「空飛ぶクルマ」の実現――。空の移動革命を導く「週一官僚」求む
そして、「空飛ぶクルマ」が持つポテンシャルを最大限に発揮できるよう、「まち×移動」の在り方を検討し、自治体や地域コミュニティとのコミュニケーションを通じて、既存の公共サービスとの接続や社会課題を解決に導く利用方法を考案する「コミュニティマネージャー」です。
URL: https://www.bizreach.jp/content/executive/meti/
両方にエントリーしたものの、最終的には一つに絞って応募しました。
履歴書、志願理由書、職務経歴書。
この3つ全てウェブで提出しました。志願理由書と職務経歴書はフリーフォーマットと記載がありました。はて、履歴書はどうしたら?となったものの、適当にネット上の転職サイトに登録してウェブ上で作成できる履歴書を入手してPDF化することで対応しました。
今はなんでもウェブ応募の時代なんですよね。便利で最高な時代ですね。紙で書く必要がありません。
履歴書を準備してて面白かったのは、履歴書には写真添付がマストだったので、平日の昼間に近所のイトーヨーカドーに3ヶ月ぶりのスーツを着て出動し、証明写真撮影機を探し出して撮影。出てきた証明写真をスマホでスクショして履歴書データに貼り付けたことです。
なんだか撮影したものをスマホでスクショして本人写真データ作成というのが笑えますよね。背景が問題なければ自宅で撮れば0円で済むし、そもそも背景を加工すれば良いだけのこと。写真の撮り方がアナログ世代の発想なのかもしれませんが、ただ気分的には引き締まりました。なんせ前職はスーツを着る機会がほぼない職種だったので、スーツ着ると不思議とテンション上がります笑
そして志願理由書を書く
志願理由書はめちゃくちゃ考えました。
志願する理由はもちろんですが、下記のようなことをイメージしながら書き連ねました。
自分は何者で、何をやってきて、何ができるのか
自分が提供できることはなんなのか、なぜそれができるのか
採用者がどんな人材を求めていて、なぜ自分が適任と考えるのか
採用者に半歩先の未来の景色を提案するならばそれはどんな景色か。私がそのマネージャーになるならばどういった方法で進めていくかの具体的な提案
自分はこの仕事を通じて何を得たいと考えているのか
マコクロの仕事のスタンス
私は仕事は情熱とフットワークが全てだと思っています。
熱量のないメッセージに興味を惹かれません。
例えば志願書や自身の能力・成果アピールに「売上目標を5年連続120%達成!」とか「社内の〇〇賞を取りました!」などには正直グッときません。
ビズリーチ登録の際に、アピールポイントには上記のように書いてみましょうと記載がありましたが、私には全く理解できません(笑)
もちろん社内的にはそれは素晴らしいんですよ。
でも大切なのは、それをどうして実現したいと思ったのか、実現するためにどう工夫したのか、なぜ達成できたのか、次の仕事でそれをどう再現して利益貢献できると考えているのか、目標を達成したその先にどんな未来を描いているのか。
私が面接する側なら、そんなところを志願者から知りたい、聞きたいと思うはずです。
そんなことを書き連ねていたら、A4用紙1枚程度で要求されている志願理由書が2枚になっていました(削った結果の2枚)
これが、話にまとまりのない冗長な志願理由書になっているのか、それとも熱量120%の志願理由書になったかは今週末までに結果がわかります。
※当初、書類選考通過者には3/29までに連絡があり、その後面接へ〜とを説明を受けていましたが、どうやら応募者数が想定以上だったようで、選考期間が4/15まで延期する旨の連絡を昨日受けました
募集枠が1名なので採用の可能性はかなり低いと言わざるを得ません。
ただ、就職活動を初めて行った15年前よりも30台後半に突入した現在の方が、会社名や規模・知名度に囚われずに、仕事の内容や環境・得られる経験と能力という視点で、自分なりにビジネスパーソンとして正しい活動ができていると、大学時代の自分に言ってあげたいですね。
先方からの突然の申し出、思わぬ展開に
「空飛ぶクルマプロジェクト」と時を同じくして、3月の上旬から中旬にかけて、前職でお世話になった方から、突然こんな連絡がメールで来ました。役職としてはかなり上の方(ここではAさんとします)で、私が前職の業務で直接関わるようなポジションの方ではありません。
「マコクロさん、〇〇という会社を知りませんか?ここは、昔、モータースポーツの世界で非常に有名だったイギリスの会社なんです。そこが今、再び復帰チャレンジをしようとしています。そのCEO(イギリス人)が私の知人で、彼が今、日本への事業展開を考えています。そこで技術分野に明るい日本人の協力を得たいようなのです。直近で来日する予定があるので、興味があれば紹介したいのですが、いかがでしょうか?」
「ほえっ!?」(なんだこの展開は???)
「えっ??これ、ヘッドハンティングではないにしろ、転職が絡む話なのかな!?」
「ぜひお願いします!」(よくわかんないけど、とりあえず話を聞くのはタダだ!とにかく動け!マコクロ!ゴーゴー!)
あまり考えてなかった転職という選択肢が、突如、しかも外資(日本法人があるのかすら不明)で紹介がくるという。軽く思考停止というかパニックになりました(笑)
実は、空飛ぶクルマの件でビズリーチに登録した際に、たくさんの人材紹介会社の転職エージェントから毎日のように、特別なあなたに〜的な感じで、高収入・高ポストの人材募集のメールが舞い込んできていました。
もちろん私も理解しています。彼らは手数料ビジネスが前提の商売であるということを。
ただ、自分が思っていた以上に、転職サイトに登録したことで自分のこれまでのキャリアはそれほど潰しが利かない訳でもないということが知れたことも意外な収穫でした。まさか20人以上のエージェントから転職情報の案内がくるとも思ってもみませんでした(おそらくほとんでが定型文に小加工した程度のものだと思われますが)。
エンジニア職はどうやら売り手市場のようです。800〜1300万の年収の業務内容とポストをふわっとボヤかしながらも、うまいこと誘ってきます(笑)
そんなこともあり、この時から自分が興味のあること・やりたいこととは別に、「市場価値の高い人材とは何か?」ということを考えるようになっていました。(これはまた別の機会に記事にしたいと思います)
イギリス人CEOと会って話してみた
先週末の金曜夜に、東京で例のCEOであるC氏と紹介してくださったAさんとの食事の場に参加しました。
C氏曰く、なぜその某社が再チャレンジなのかというと、もともと勤めていたその某社が過去に経営破産したため、C氏は他の会社へ移ります。そしてその後、別会社を立ち上げ会社を経営していましたが、再び、元の会社のブランド・技術含めて買収して再起させ、現在、ヨーロッパを中心にここ10年ほど活動しているそう。
私はF1とMotoGP(F1のバイク版ですね)、鈴鹿8耐も観戦するので、比較的モータースポーツ好きな方だと思っていますが、途中で倒産してしまったせいもあってか、今回の話を聞くまでは、正直、聞いたことがあるようなないような、、、という曖昧なレベルでした。また、その商材についての業界の歴史も競合他社も知らなければコア技術もよくわかりません。ただ、モノづくりという点では理解できるので、話を聞けば製法は概ね理解できそうな感じでした。
彼がこの会社、ブランド、技術にかける想いは強く、ビールをガンガン飲みながらiPad片手にプレゼン資料のスライドをめくっては、会社の歴史、モータースポーツにおける過去のこの会社の寄与とポジション、現在の取り組み状況、これから狙うマーケット等を熱く熱く熱弁してくれます。
英語、久々に使った
ちなみに私の英語力ですが、TOEICでいうと690(2年くらい前に受験してそれきり)程度。英検は持ってないですが2級くらいな気がします。
つまりリスニング力もスピーキング力も十分ではないけど、聞きなおしたり、相手の話していることを自分でサマライズして解釈が合っていること確認したりしながら進められれば、まぁ、なんとか仕事で英語使って対応できます、というちょっと怪しいレベルの英語運用能力です。それでも一応なんとかなっているので、要は場数と慣れかなって思ってます。
会議室の英語プレゼンや、ほぼ個室に近い席もしくは海外のレストランでのディナーで英語でコミュニケーションを取るのは前職で3年〜4年ほど経験していたので慣れてます。話の背景や技術バックグラウンドの知見のある内容であれば、リスニング力やスピーキング力が多少怪しくても大筋は理解できるものです。
ただ、今回の場合、会場が焼き鳥屋さんでした(笑)
もうちょっとカチッとした場所をイメージしていたのですが、お会いした二人がそもそも友人で、食事ついでの紹介というなら確かに納得です。焼き鳥にビールとかどう考えても久々に来日した外国人にウケ良さそうですし、なんせ手軽で美味しいですし。
有線放送でアップテンポな楽曲をかけてる若い店員の焼き鳥屋さんで、なぜかギャルダンサーっぽいメイクをしてらっしゃる、ちょっとセクシーな(というか結構エチエチめな)お姉さんが「は〜い、お待たせしましたぁ〜!!^^」と料理をちょいちょい持ってくるし、C氏の話も聞かなきゃだし、大先輩とも言うべきAさんが「ほらマコクロさん!ビール飲んで!料理も食べて食べて!」と言ってくださるわけです。肝心の英語力が怪しいこともあって、メモ帳持参で適宜メモを取りながら聞きましたが、所々、理解が怪しいと言いますか(あんまり頭に入ってこな、、)、しっかりとは聞き取れませんでした(笑)。
ただ、その会社が目指している方向性と、求めている人材像は理解できました。
それにしても今時なカフェもそうですが、居酒屋のガヤガヤした雰囲気の中で会社の概要、歴史といった初めての聞く内容を理解するのって大変ですよね。ただ、飲んで話を聞いて、英語で私の経歴紹介とこれからやりたいことを話せたのはとても楽しい時間でした。
どんな人材を探しているのか
C氏が今回探している人材像の要件は3つだと言ってました。メモしておきました。
- 技術(技術に対するバックグラウンドがあり、技術理解が可能なこと
- 情熱(関わる仕事に熱量を持って取り組めるか)
- 行動(指示待ちではなく、自分はどうしたいのかを発信でき、行動できる)
なんだか自分の仕事のスタンスがほぼ包含されていたのもあり、スッと頭から胸に入り、しっかり腹落ちしました。
前職と業界がラップする仕事は今後の人生でもう関わることはないだろうと思っていたものの、話を聞いていてなんだか面白いなと思いました。
何者でもない自分を必要としてくれる人がいることの喜び
Aさんがどうして私を思い出して、C氏との食事の場に誘ってくれたのか。
「次は私が話すから、マコクロさん、ビール飲んで食事とってください。お腹すいたでしょう」
そう言うと、Aさんが私と知り合った経緯と、どうして私をC氏に紹介しようと思ったかを英語で話してくれました。
覚えている限りだと、こんな感じの内容でした。
- 前職は大企業で大きな仕事に取り組んできた。仕事での海外業務経験もあるし、社内でも人望もあっただろう
- 37歳の年齢ならば多くの人が同じ道を歩み続ける中で、そのキャリアと現在、そして未来で得られるであろうポジションを捨てて、自分のやりたいことを実現するために、会社を辞めて外へ飛び出すと突然聞いた
- その心意気に惚れた。私は彼を応援してやりたい。C氏が探している人材として彼は適任なはずだ。だから今回紹介しようと思った。きっとあなたも彼を気に入るだろう
嬉しさのあまり、泣きそうになりました。
Aさんとはお会いしたのはおそらく2回程度です。出張中の道中、色々お話させていただいたのと、その時に食事をご一緒させてもらった程度です。私は勝手に良い印象をAさんに抱いていましたが、幸いなことに私にも良い印象を持っていただいたのだと思います。
前職は、浜松界隈で会社名を聞けば知らない人はまずいませんし、世界的にも認知度がある企業でした。
地元に帰っても両親・親戚・友人ももちろん知ってます(時々、姉妹会社の商材と混同してしまう人もいますが)。
3月15日までは、〇〇会社でエンジニアしているマコクロさん。
3月16日からは、何者でもない職業不定の元エンジニア37歳独身男性。
出会いと縁と人脈に感謝しかありません。
CEOであるC氏からの誘い
1時間半くらい3人で食事と話をして盛り上がったところでしょうか。Aさんが先に帰宅しました。その後も引き続き私とC氏は食事をしてお酒を飲んでいました。
「君が個人事業主、ゆくゆくは起業して会社を経営したいということはわかった。モータースポーツにも関心があって、エンジニアとしてのバックグラウンドがあることも知ることができた。」
「そこでもし良かったら、ウチの会社で一緒に仕事してみないか?日本市場を拡大していくのに協力してくれると嬉しい」
「複業?もちろんOKだ。雇用形態もパートタイムジョブ含めて柔軟に相談に乗れるよ。我々が望むパフォーマンスを出してくれれば、私はそれでOKなんだ」
「時計の勉強をしていく中で収入がないのは、厳しい生活になるだろう。もしウチの会社で経験を積めば、ファイナンス、マーケティング、セールスも学ぶことができるだろう。事業拡大の経験も積むことができる。海外で事業をもしすることになれば、何か支援できるかもしれない」
「もちろんウチの会社で働くことを断ってもいい。ただこの出会いはこれからも続いていくことを望むよ」
「興味があったら連絡してほしい。3/29と30は東京にいるんだ。そこで詳細の話をしよう」
後日、メールの返事をした
「I would be glad if I can work with you in some way to expand a business in Japan market for you and your company.」
明日、C氏と東京で再度会うアポイントメントを取りました。
この仕事を受けようと思ったのは、こんな感じです。
- 個人事業主(おそらくそうなるはず)としての立場で仕事を得て稼げて、空飛ぶクルマプロジェクト含め、自分のやりたいことでも稼げる可能性(複業)
- 業界を大きく変えず、職種を変えて新しいキャリアを積める経験は今後の自分に必ず活きる(マルチキャリア)
- CEOのC氏のオファーに自分の能力が役に立つならと協力したくなった。日本での事業拡大の一端を担える醍醐味も楽しめる(1→10の事業スケール)、なによりもAさんの期待には絶対に応えたい
いきなり会社を辞めて時計の勉強する!そのうち起業する!といって、会社辞めてから早々に経産省の面白いプロジェクトに応募し、数週間も経たずに海外企業から仕事を得そうな現在。
なんだか先が全く見えてなくて、私自身も、私を応援してくれる前職の同期・先輩・後輩、お世話になった企業の皆さん、地元の家族・友人もびっくりですよね。
どういう形態で働くのか、勤務日数・時間、対価と報酬はC氏と私とで決めていくことになります。
今までサラリーマンだったので、個人で守秘義務契約(海外ではNDAと呼びます)を結び、(雇用なのか委託業務なのか)契約を交わして仕事を始めるなんて、こんな経験、日本の企業に対して日本語ですらやったことないのに、いきなり外資で当然英語というエキサイティングな展開になりました。
きっと契約も仕事もはじめはうまくいかなくて当然でしょう。すぐに契約解除されてしまうかもしれません。でも、これを繰り返して反省して学んで掴んでいくものだと思って、とにかく一つ一つの出会いを大切にし、目の前の仕事に取り組んでみようと思います。
マコクロの「俺、脱サラするよ。で、次なにするの?」はどうやら、海外企業の日本進出サポートの業務を請け負うところから始まりそうです^^
2019-4-1追記
本件、空飛ぶクルマはまだ書類選考の段階です。また、イギリスのメーカーとは私自身、雇用形態も報酬条件もまだ詰めていない状況です。こちらは私の履歴書すら受け取っていない状況で、その会社の出資者(株主)の了承も取っていない、あくまで仕事を始められるかもしれない「可能性」の段階です。つまり双方共に「興味がある」段階というのが適切です。誤解を招く表現が文中にあったため、補足いたします。
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