自営業者、フリーランスの老後資金はいくら必要なのか計算してみた

2019-12-30

これ、自営業・フリーランスの個人事業主に限らず、パート・アルバイト従事者も年金は国民年金(老齢基礎年金)のみとなるので、これらの人にも当てはまる話ですよね。

おそらく一般的な会社員は以下の2階建や3階建と呼ばれるケースになるかと思われます。

  • 3階建・・・国民年金 + 厚生年金保険 + 企業年金(厚生年金基金 or 確定給付企業年金)
  • 2階建・・・国民年金 + 厚生年金保険
  • 1階建・・・国民年金(基礎年金)のみ

ちなみに私の前職の会社は3階建で確定給付企業年金と企業型確定拠出年金を採用しています。

確定給付企業年金とは、会社独自の企業年金制度のことで、退職金を年金として受け取れる制度です。

遠い先のことなのであんまり我々世代のサラリーマンは誤解しがちですが、確定給付年金は確定拠出年金とは違いますよ!

ざっくりまとめると下記の違いがあります。

  • 確定給付年金・・・「給付額」を先に決定し、各企業の年金基金団体が運用する
  • 確定拠出年金・・・「拠出額(掛金)」を先に決定し、拠出者(つまり自分)が運用する

会社とは資産を切り離して運営するものなので、仮に会社が倒産してもこちらの基金がなくなってしまうことはありません。給付額もあらかじめ企業側が勤続年数や資格・等級などを考慮して決めています。

3月で無事会社勤めを超アーリーの見切り発車で卒業してしまったマコクロは、このまま国民年金(2019年は毎月1万6410円)を収め続けると、1階建と2階部分(14年間収めた分の厚生年金)を受け取れるみたいです。

以前のエントリーでiDeCo(個人型確定拠出年金)を始めるよー、運用商品はこれにするよー(参照先リンク)とお伝えしていたものの、フリーランス(自営業、個人事務所勤め含む)は65歳以降、生きていくのにいくら必要なのか?という点に触れていませんでした。

本来、自営業・フリーランスであれば本人の体調とメンタルがOKならば、いつまででもそれまでの仕事を継続して働くことができるのですが、いい機会だから、ひとまず前提条件を決めてシミュレーションしてみようと思います。

といっても、何歳まで生きられるかなんてわからないし、単身なのか夫婦なのか、持ち家か否かなどなど、総額でいくら必要かなんてよくわかりません。でもとりあえず下記の前提条件で考えてみようと思います。

必要な老後資金の計算前提条件

  • 単身ではなく夫婦(同い年)
  • パートナーは専業主婦(主夫)
  • 65歳以降の労働による収入ゼロ
  • 95歳まで生きる
  • 持ち家がある

私は、ライフスタイルの変化やその時の状況(仕事やプライベートの事情など)に応じて住む場所・サイズを容易に変更できる点で賃貸派なんですけど、65歳以降でそんなに頻繁に引越すこともないだろうと、一応ここでは持ち家としておきます。

そもそもローン組めるほどの信用がどこにあるんだ?と問われると、今のところ戦闘力5以下のゴミで無力な存在です、ええ。(笑)

話はそれますが、最近では健康で生き生きした生活を送る65歳の年配の方が多くいる中で、そのような方々を年齢で一律に老人とか老後生活という表現でくくるのはいささか抵抗感があります。が、あえて使います。

ここはわかりやすさという建前と、このブログへGoogle検索、Yahoo!検索からたどり着いてもらうためという本音のもと、そのような表現を入れている、せこい人間です(笑)

60歳夫婦の毎月の生活費は25万くらい、30年間で9000万!

「老後の生活費」とかでググるとだいたい似たような支出額が出てきます。だいたいどこのサイトも総務省の家計調査報告をベースにしているからです。

で、これを見ると、だいたい26万〜28万(住居費込み)くらいと出てくるのですが、先の前提条件に当てはめるべく住居費用分を差し引くと、まぁだいたい25万と見積もれます。住居費用が2万なわけないでしょ!と突っ込みたくなるのですが、おそらく全国各地の何かしらの平均値でこのようになったのだと理解しておきます。うむうむ。

そして、ゆとりある生活を送る場合はこれに10万くらい上乗せするモデルケースが多かったので、こちらでもそれで計算してみようと思います。

参照リンク1 参照リンク2

というわけで、このようになりました。

65歳から30年間で必要な生活費(STD) = 9000万( = 25万 × 30年 × 12ヶ月)

65歳から30年間で必要な生活費(ゆとり) = 1億2600万( = 35万 × 30年 × 12ヶ月)

総額で見てしまうと、生きるのってめちゃくちゃ金がかかるということが実によくわかりますね。。。

会社員が受け取る厚生年金(基礎年金含む)は、統計上で男性で年間およそ216万(月額18万)、女性で年間およそ108万(月額9万)が最も割合として多かったです。女性の値が男性より低いのは結婚後、離職して専業主婦(もしくはパート)に移行することが大半であるからと推測されます。

参照リンク3

会社員の厚生年金は毎月18万程度、これに退職一時金と企業年金でさらに1660〜3000万ほどもらえる可能性あり

会社員を旦那(嫁)にもつ夫婦は退職金や厚生年金でどのくらいこれをカバーできるんでしょう?確認してみます。ここでは便宜上、国民年金受給額を6.5万と表現します。

会社員の受給額 = 8820万( = (18+6.5万) × 30年 × 12ヶ月)

3階建の企業年金がもらえる会社退職一時金と合わせると下記のような額となりそう。

  • 大企業・・・3060万(退職一時金1010万、企業年金2050万)
  • 中小企業・・・1660万(退職一時金820万、企業年金840万)

人事院の調査(2017年4月)によると定年退職者全体の平均退職金は約2460万円(勤続38年)。そのうち退職一時金が1006万円、企業年金が1454万円。従業員1000人以上だと退職金約3060万円。退職一時金が約1008万円、企業年金が2052万円になる。一方、100~499人の企業は一時金818万円、企業年金842万円の計約1660万円と大企業と1000万円超の格差がある。

引用元: President Online 誰も知らない24業種企業年金ランキング
URL: https://president.jp/articles/-/25800

会社員の方は、65歳以降で住宅ローンが残っていたり、極端にお金を使い込まない限りは、普通の暮らしどころか、比較的ゆとりある暮らしが実現できそうです。

普通の尺度が個々によるので曖昧ですけど、人生最後だからと高級車に乗り換えたり、事業起こして退職金が壮大に弾けたり、孫ビジネスで鬼のように貢がなければ大丈夫かと思われます。

今後リストラされたり、会社そのものが倒産したり、極端なインフレがやってくるなどの、「いま考えても仕方のないこと」は、その都度柔軟に対応できる思考と行動、生活防衛資金で対応していけば良いのだと思います。

あ、一応上記を補足すると、「なにもしなくていい」ということではないですよ。リストラされても次の別の仕事が得られるだけの「人材市場価値」を磨いておくことが重要です。

また、極端なインフレが万が一起きて、実質的に預金口座の円の現金の価値が下がるのが嫌なら、外国株式やドル資産などをある程度持っておけば良いのです。

それって、どの程度?となるので、それは自分で勉強しながら心理的に安心できる範囲で運用を実践するしかないです。もしくは、信頼できるファイナンシャルプランナーにお金払って運用相談するのが良いと思います(タダほど高いものはないので、FPにとって有益な金融商品を紹介・斡旋される可能性もあります)。

基礎年金が毎月6万5000円程度の支給で、退職金ゼロのフリーランスは一体どうする??

問題は基礎年金のみの平屋(一回建)のフリーランス、自営業、個人事務所所属の層です。

フリーランスや自営業者などが受け取る国民年金は、年間77万9300円(月額6万4941円) ※平成30年度の満額給付における実績

フリーランス・自営業者の受給額 = 4680万( = 13万 × 30年 × 12ヶ月)

以上です。退職金は自分で作らない限りありません。

フリーランス・自営業者は、普通の老後の生活を送るのに、4320万(毎月12万)も足りません。

フリーランス・自営業者は、ゆとりある老後生活を送るのに7920万(毎月22万)も足りません。

35歳でフリーランスの方が貯金のみで4320万円を築こうとすると、今後30年間、通常の生活費とは別に毎月12万積み立ていく必要があります。

35歳でフリーランスの方がiDeCoで、実質的な拠出額限度額の5万1000円(※)を毎月拠出し、iDeCoの運用が可能な60歳までに4320万円を築こうとすると、年率5.2%の運用で希望リターンが必要です。

(※)iDeCo、国民年金(1万6410円)や付加保険料(400円)と合わせて6万8000円が限度。国民年金は毎年納付額が変動し、iDeCoの拠出額の単位は1000円ごととなる

まとめ

まとめると下記のことが言えます。介護費用と葬儀費用を含んでいませんが、今回の資産で大まかなイメージが掴めました(そして無事絶望)。

  • 老後の資金は夫婦で95歳まで生きるとなると、持ち家があっても9000万ほど必要。
  • 会社員であれば、厚生年金でほぼカバーできる。退職金も合わせればゆとりある生活が送れそう。
  • フリーランス・自営業者は普通の老後を暮らすのでさえ、4300万(毎月12万)ほど不足する。
  • 貯蓄で不足分を解消しようとする場合、35歳から30年間、毎月12万積み立てる必要があるということ。

現時点の世の中、日本の経済、財政状況が30年後も続くのであれば、夫婦揃って大企業の会社員が超安定の結果に。とはいえ、30年前に現在を予想できないのと同様に、これから30年後の未来も予想できないですよね。

会社にぶらさがってリーマンやってるような、ぶらさがリーマンのような方々は、常に危機感を持った方がいいのになーとは思います。

案外、サラリーマンを夫(妻)にもつ、知的労働の自営業者がいる夫婦が、かたや厚生年金をもらいつつも、もう一方で65歳以降もこれまで同額に稼げるというスタイルが熱かったりしてね。こちらも廃業、倒産リスクは常に付き纏いますので、まぁ自己責任ですね。

おまけ

あ、ところで「360」という数字は覚えておくとなにかと便利かもしれません。

急になにを言ってるんだ?と思われるかもしれませんが、65歳から95歳まで生きるとすると30年ですよね。これ、30年を月数換算すると360ヶ月なんです。当たり前ですけど。

この当たり前のことが何に役立つのか?というと、「老後資金」を考える上で、役に立つんです。

例えば、360万貯めれば(使えば)65歳以降で使えるお金が1万増える(減る)ということです。

  • 3000万を株式運用していて12%のリスク変動に耐えられるか・・・65歳以降の生活資金が一瞬で毎月1万減る
  • 35歳の人が360万の車を今後30年の間に4回(7年くらいで乗り換え、買取価格はゼロ査定想定)乗り換える・・・65歳以降の生活資金が毎月4万減る
  • 35歳の夫婦がキャリア携帯の毎月費用1万4000円を格安SIM(LINEモバイルなどのMVNO)に変更し、費用4000円に下げる運用(年間12万節約)を30年継続する・・・65歳以降の生活資金が毎月1万増える
  • 賃貸派の35歳の夫婦が使わないモノを処分して、これまでより一部屋少ない部屋のアパートに引っ越して毎月1万円家賃コスト削減、これを30年継続・・・65歳以降の生活資金が毎月1万増える
  • 持ち家世帯なら住宅ローンを金利の有利な銀行に乗り換える。固定金利が安い時にロックして、繰上げ返済をせずにその分を積み立てNISAなどを活用し投資信託で利ざやを稼ぐ・・・これは私には計算できません(笑)

上記に挙げた一番上と下を抜きしても、車を持たない(車が必要な地域なら半値の180万くらいの中古車にとどめる)、携帯代を見直す、住居費用を見直すなどなど。意識して行動すれば誰でも簡単に支出を低減できます。

車・携帯・家賃にかけるコストの見直しで、老後に使える月々のお金が4〜6万くらい増えちゃいます。

「360」を意識することで、現在の自分の行動は65歳以降で年金換算した時にどれほどのインパクトがあるのかをイメージすることができます。

数十年後の物の価値、すなわちインフレ率が現在据え置きなので、あくまで参考程度ではありますが、とてもわかりやすいですよね。

これは私がよく記事・コラムを読む経済評論家の山崎元(はじめ)先生からの受け売り(パクリ)で、「なるほどなぁ〜」と感心したので紹介させていただきました。山崎先生の記事は読み物としてもめちゃくちゃ面白いし、為になるのでオススメです。

もし他のサイトで引用もなく出てきたら、「あーこの人、山崎先生が無料で教えてくれていることをパクって、自分のブログでさも自分が編み出したかのように紹介して広告収入で稼いでんのかー」と思っていただいて概ね正解です。

損失許容額を考える手掛かりがないという方には、「360」という数字を手掛かりにするといいとアドバイスしておこう。65歳から95歳まで360ヵ月ある。例えば360万円あれば、年金その他の収入に加えて毎月1万円貯えを取り崩すことができる。つまり、65歳で退職するとしてこの時点で1800万円ある人は5万円、3600万円ある人は10万円を毎月金融資産から使うことができる。
 こう考えると、仮に運用で360万円損をしたら、それは「老後に使えるお金が月1万円減ったということだ」と大まかに置き換えることができる。
「それでは大変だ!」という方もおられようし、「それくらいなら大丈夫だ」という方もおられよう。利回りも物価変動も考えていない大雑把な計算だし、人によって前提条件(寿命や引退年齢の想定など)が異なるだろうが、老後に備えた貯蓄や資産運用のリスクを考えるときの参考にしてほしい。もちろん、720万円の損なら毎月2万円の減少だし、3600万円なら老後の毎月10万円に相当する。

引用元: ダイヤモンド オンライン 山崎元のマルチスコープ 「個人投資家はGPIFの「ここ」を真似てはいけない!」
URL: https://diamond.jp/articles/-/69367?page=6

最後に

「今を生きて脱サラまでしてんのに老後のことばっか考えてんじゃねーよ」とか、「老後資金とか考えてて人生つまんなくないの?」とか、起業家、フリーランスでガンガン稼ぐ方々から罵声を浴びるというか、お叱り・落胆されそうな今回のエントリー、私自身も少なからずそのように思ってます(笑)

とはいえ、iDeCoの運用にしろ、個別株で資産運用で億り人目指すのにも、なにかしら目標というか参考となる数字があると必死になるし、なによりゴールから逆算して「いついつまでにいくら必要」「そのためにはこれこれの運用(手段)が必要」の金策シミュレーションが好きなので、こんな記事を作りました。

参考になる方がいらっしゃれば幸いです。私は今回、自分でネットで調べてキーボードを叩いてブログ記事にすることで、大まかな費用等が頭にインプットされました。

あとは、どうやってこの不足資金にマコクロ流で対応していくかですよね。

今後の記事ネタとして準備しておきますね。