マコクロ流 会社四季報の活用方法〜銘柄分析〜(2)

2019-03-25

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それでは、先週のエントリーの続きです。

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まずは①と②のおさらいから。

①営業利益 ②純利益

①営業利益は「本業での稼け」「企業の収益力」

②純利益は「最終的な手元に入る利益」

さて、今回のエントリーでは③以降を解説しながら見ていきます。

③1株あたりの純利益(EPS)

おそらくこの表現は株式投資に馴染みのない人からすると、なんだこれ🙄??なんの役に立つんだろ?🙂となるかもしれませんね。でもとっても大事な指標なんですよ。

1株あたりの純利益EPS(Earnings Per Share)はイーピーエスと呼びます。1株あたりの純利益とはその株式(企業)がどれだけ稼ぐ力を有しているかを表しています。よくわかりませんよね?(笑)もう少し感覚的に理解しやすいように頑張って説明してみます。

私は業績を見る時、営業利益率とその成長率、および、1株あたりの純利益とその成長率をとても重要視しています。

「純利益こそが企業の最終的に手元に残った利益なのだから、純利益で良いのでは?」と思う人も多いと思います。おっしゃる通りです。

でも「純利益が毎年安定的に増加しているかどうかの判断」は「純利益を1株あたりの純利益に直してから確認した方が良い」のです。

やり方は簡単です。純利益を発行済み株数で割るだけです。

1株あたりの純利益(EPS) = 純利益 ÷ 発行済み株数

この計算式から以下のことに気づけます。

  • 会社が増資した場合(発行済み株数が増える)・・・EPSは下がる
  • 会社が自社株買いした場合(=発行済み株数が減る)・・・EPSは上がる

純利益は確かに変わらないので、企業の業績そのものは変わることはないのですが、

EPSで評価することによって、「1人あたりの株主にとっての利益(=取り分、つまり分け前)が高いのか、低いのかを同業他社含めて評価することができる」のです。

ルネサンスの1株益(EPS)はどうか?

2014年度から2017年度にかけて47.8円→72.3円(+51%)→102.7円(+42%)→132円(+28.5)→144.6円(+9.5)、そして次回2018年度では156.6円(+8.3%)と四季報が予想しています。

年々減少傾向にありますね(汗)こうやって分析していくと、たくさんのことが見えてくるものだなと私も日々勉強です。ふー。

④有利子負債 ⑤現金および現金同等物

これまでは成長企業の華々しい業績を見てきましたが、次に見るのは、「この企業はいきなり倒産することなんてないよね?」という企業の安全性に対する視点です。

私の場合は【収益性→成長性→安全性】の順番ですが、これが企業を顧問している経営コンサルタントや経営のプロの方は、きっと【安全性(倒産しない)→収益性(黒字)→成長性(業界の展望、企業のポテンシャル)】なんでしょうね。

結局のところ、いくら売上高、営業利益に利益率、純利益も高くとも、手元のキャッシュが底を尽いて借入金が返却不可能となれば、あっという間に企業は倒産してしまいます。

そこで「有利子負債」と「現金および現金同等物」を見ます。

「現金および現金同等物」とは、ほぼキャッシュを示します。キャッシュは皆さんのお財布や銀行に普通預金している現金、現金にほぼ近い性質を持つ金券と同じと考えてOKです。

一方で「有利子負債」とはなんでしょうか?

これは貸借対照表の負債欄に記載のある下記を総称したものになります。

  • 流動負債:短期借入金(金融機関からの資金調達)
  • 流動負債:1年以内に償還予定の社債(債券市場からの資金調達)
  • 流動負債:1年以内に償還予定のコマーシャルペーパー(債券市場からの資金調達)
  • 固定負債:長期借入金(金融機関からの資金調達)
  • 固定負債:社債(債券市場からの資金調達)

つまり借金したお金のことですね。ちなみにCP(コマーシャルペーパー)とは、無担保の約束手形のことです。

この中ですぐ(1年以内)に返さなければならないのが「流動負債」です。1年で組んだマイカーのローンとイメージすれば良いかと思います。

また、「固定負債」は長期ですので奨学金や住宅の35年ローンのようなイメージをすれば良さそうです。

手順はこうです。

  1. 現金および現金同等物 > 有利子負債 であることを確認する(倒産リスク回避:ミクロ視点)
  2. 上記が逆転する業種の場合は、競合他社含めた業界のレベルを把握する(倒産リスク回避:マクロ視点)
  3. 競合他社に対して購入検討銘柄の上記項目が優れているか確認する(財務健全性の比較)

業種によってこの比率が異なるのが難しいですよね。一つの銘柄の業績、財務諸表を見ていくだけで大変な作業なのに、上場している同業他社までカバーしなければならないのですから。

上記の説明に相反する発言かもしれませんが、必ずしも借金がなければ優れた企業であるというわけでもありません。

うまく借金をしながら事業を拡大し、社会に付加価値(=売上げ)を提供する。そして安定して利益を確保し、株主に還元(株価上昇や配当)していく永続的に存続が可能な企業が、高い評価を受ける傾向があります。

無借金経営はそれ自体が素晴らしいので、私の大好きな経営スタイルでもありますが、このあたりの考え方は非常に難しいですね。。。

飼育費が凄まじくかかるけれども金の卵をガンガン産むガチョウがいいのか、普通の卵を毎日安定して産んでくれ、かつ、飼育費もかからないお利口さんなガチョウがいいのか、といったところでしょうか。

飼育者が一文無し(倒産)になっては元も子もないですし、ガチョウ(事業)が卵(利益)を産まなくなってしまってもダメですもんね。

ルネサンスの有利子負債、現金および現金同等物はどうか?

現金および現金同等物(2018年度)・・・3,227(百万)(32億のキャッシュ)
現金および現金同等物(2019年度予想)・・・1,026(百万)(10億のキャッシュ)
有利子負債・・・5,750(百万)(57.5億の借金)

まず、有利子負債の方が大きいですね。同業他社はどうでしょうか?実績ベースで記載します。

  • セントラルスポーツ(4801)・・・現金同等6,721(百万)/有利子負債 3,566(百万)
  • ジェイエスエス (6074)・・・現金同等513(百万)/有利子負債 1,996(百万)
  • 東祥 (8920)・・・現金同等11,294(百万)/有利子負債 22,235(百万)

セントラルスポーツを除き、基本的にフィットネスクラブ経営はレバレッジを効かせたスタイルを取る業種なのでしょう。

少し考えてみると、あぁ、なるほどな、と理解できます。フィットネスクラブは会員さえ安定して確保し、顧客満足度が一定基準をキープできる程度に抑えながら勧誘できれば、毎月の収入は「会員の会費、新規会員の入会金・入会当月と翌月会費の一括先払い、すべて現金の銀行振込」です。最高ですよね。先にキャッシュがすぐさま入ってきます。光熱費や従業員の給料は翌月払いです。ストックビジネスの中でも資金繰りが容易な業種なんでしょうね。

そうやって立てた仮説のもと、今一度、ルネサンスのキャッシュと借金のバランスを確認してみると、実績ベース(ルネサンスは2018年度で比較)で比較する限りでは、業界の中でも比較的無理のないレバレッジと言えるでしょう。

随分長くなってしまったので、⑥ROEと⑦配当利回りについては次回書きたいと思います。

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