保有銘柄 ユニ・チャーム:2019年12月期 第2四半期 中間決算レビュー
さて、決算短信リリースからすでに1週間も経ってしまったZOZOの第1四半期レビュー記事を今更ながらアップします。
- トレジャー・ファクトリー・・・第1四半期決算(7/10発表済み)
- ルネサンス・・・2020年3月期の第1四半期決算(7/29発表済み)
- 塩野義製薬・・・2020年3月期第1四半期決算(7/29発表済み)
- ZOZO・・・第1四半期決算(7/30発表済み)
- ユニ・チャーム・・・2019年12月期中間決算(8/8発表済み)
- オイシックス・ラ・大地・・・2020年3月期第1四半期決算(8/12発表済み)
前期2019年12月期第1四半期決算レビューでは下記のような結論としていました。
前期結論: 業績は計画通り堅調に推移。このままホールド。
ユニ・チャームはすでにウィークリーレポートにてホールドしていることが判明しておりますが、どのような判断からホールドしたかを紹介いたします。
結論:業績は計画通り堅調に推移。コンセンサス予想は下回るが、引き続きホールド。
塩野義製薬の決算の時と同じ結論です。
前年同期比と比べると、まぁ厳しいですよね。今期の前半戦までのユニ・チャーム。
しかしながらユニ・チャームも塩野義製薬同様、前年度の期末の決算時に、「来期前半は当期に対して下落基調なものの、最終的な着地は前年同期比をチョイ上回る決算」という業績予想を出していました。
つまり想定の範囲内に推移していると。
ただ、私としては「あ、この決算だと翌日の株価かなり落ちそうだな〜。自分としては変わらずホールドだけど、しばらく厳しい地合いが続きそう」と心配しましたが。
これについては、その後株価はどうなったか、なぜそのような展開となったかの自分なりの推論を後述しますね。
まずは定量的に事実を把握していきましょう。
決算短信


前期(2019年12月期第1Q)に対しての業績向上度合いと、通期の業績予想に対しての進捗率を整理してみます。桁数が大きすぎて決算短信の百万単位だと分かりづらい印象があるので、前回同様、カッコ書きで億の単位も併記しておきます。
- 第1Qの売上高・・・342,498百万(3,425億) → 前年同期比+5.2%(通期に対しての進捗率+46.9%)
- 第1Qの営業利益・・・39,220百万(392億) → 前年同期比-17%(通期に対しての進捗率+39.2%)
- 第1Qの純利益・・・25,298百万(253億) → 前年同期比-15.7%(通期に対しての進捗率+39.8%)
前年同期比で評価しても通期に対する進捗率で評価しても、数値だけ判断すると厳しい状況が垣間見えますが、先ほども申し上げた通りユニ・チャームとしては「計画通り推移」と評価しています。
ところで、ユニチャームの収益の主なメインマーケットは日本市場と中国をはじめとするアジア市場で営業利益の9割を占めます。
当期第2Qまでの営業利益で確認してみると下記のようになりました。
- 日本市場・・・営業利益の割合は44%
- アジア市場(中国、インド、インドネシアなど)・・・営業利益の割合は48%
- その他の市場(米国、サウジ、ブラジル、オランダなど)・・・営業利益の割合は8%
ちなみに前年度の第2Qの日本市場は57%もの営業利益を占めていました。これはなぜかというと「越境EC」による儲けが大きく占めていたからです。越境ECについては前回決算時に触れていますのでこちらにて確認してみてください。
決算説明会資料





たくさん資料を貼り付けましたが、私の総括を下記にまとめます。
マコクロ の当期第2Qユニ・チャームの総括
- 決算短信だけの業績数値を切り取ると「ちょっと増収・かなり減益の厳しい決算」に見えるがそうではない
- その大きな理由として前々年度、前年度までは日本の業績が越境ECで良すぎた。
- しかし、中国政府による規制強化で前年度後半から当期第1Qまで大きく業績に影響を及ぼしたが、当期第2Qで、ようやくひと段落ついた模様
- 足元日本市場、アジア諸国の業績は好調であり、営業利益率も増加基調にある
下期は会社の業績予想は手堅いと予想され、株価にも相応に織り込まれることが予想されるかと思われます。
米中貿易摩擦の影響もあり中国経済が急激に減速している中で、依然として中国市場におけるベビーケア事業のマミーポコ(現地生産)、ムーニー(適切な手続きがなされた日本からの越境EC)は好調です。
米中貿易摩擦がユニ・チャームの中国市場にとって思わぬ追い風となるやもしれませんね。
そして株価はどうなった!?
決算前から株価は上昇基調となっていました。そして決算発表翌日の8/9でさらに一段大きく上げました。

決算短信の表紙だけで前年同期比で業績チェックしただけでは「残念な決算」に見えがちなのです。
これは私の勝手な推測なのですが、
1つめは、決算説明資料の内容から「越境EC特需終了後のマイナス影響にひと段落がついた」ことが判明したとマーケットから評価された。
これは前述の通り、会社の決算説明用資料の事実ベースですね。
2つめに、「同業他社の減益に対してそれほど悪くなかった」為、相対的に評価された可能性がある。
日用、化粧品の同業他社の前年同期比における純利益の変化を確認してみます。
- ユニ・チャーム・・・15.7%減
- 花王・・・8.8%減
- ポーラ・・・35.1%減
- コーセー・・・37.1%減
- ライオン・・・37.6%減
- 資生堂・・・10%増
ユニ・チャームは当初の業績予想通り、半期までは前年に対して下回ることがあらかじめわかっており、実際その通りの結果で着地していることが安定感につながりポジティブな評価をなされた可能性があります。
つまり、他の同業他社に対して「まだマシである」評価がなされたと考えました。(推測の域を出ない勝手な想像です)
加えて、1つめの理由に挙げた越境EC。この影響がひと段落し、今後は中国で作り中国で売る商品の利益増加が見込まれます。
現在の中国経済の失速で贅沢品の需要喚起は簡単ではないでしょうが、生活に密着した商品の消費は今後も安定して持続するものと考えれられます。
最後に妄想
4月以降、ずるずると下げ続けてきたユニ・チャーム株ですが、次の第3Q決算あたりで好決算がもし出ようものなら、そしてさらに業績修正が出ようものなら、再び株価に織り込まれて急騰するのになーなどと妄想してしまいます。
そうしたら年内でひとまず売却せねばならない2015年度枠のNISA200株がうまく売り抜けられるのでありがたいんですけどね。。。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません