保有銘柄 塩野義製薬: 2019年3月期通期決算レビュー
先週末から風邪で体調を落としていたのですが、一昨日あたりからようやく回復してきました。。。
季節の変わり目に体調を崩しやすい傾向があるようです。咳はほぼなくなりましたが、喉の痛みと鼻詰まりはまだまだ。で、寝るときに口呼吸になるので朝起きると喉が乾くし痛い(笑)
そんな私の体調と同様に、保有株もなかなかエキサイティングな値動きをしておりまして。なかなかシビれました(笑)。これは週末のウィークリーレポートを楽しみにしていただければと思います。
さて、引き続き保有銘柄の決算レビューを続けていきます。
- ルネサンス・・・2019年3月期の通期決算(5/8発表)
- 塩野義製薬・・・2019年3月期の通期決算(5/9発表)
- ユニチャーム・・・2019年12月期の第1四半期決算(5/13発表)
- オイシックス・ラ・大地・・・2019年3月期の通期決算(5/14発表)
今回の決算レビューは塩野義製薬です。
シオノギ製薬は創薬型製薬会社で、会社四季報によると次のように会社の特色が記載されています。「抗HIV薬が大型製品に。感染症、疼痛・中枢神経領域に強み。米国に積極展開。欧州、アジア開拓」とのことです。
今回も結論から。
結論: 業績は過去最高で絶好調の◎。暴落時は買増し確定
期中に業績予想の修正(上振れ)を出しましたが、それすらも上回り、売上高・営業利益・純利益ともに増収増益を更新しました。
「暴落時は買増し確定」としたのは、今期の業績はすでに株価に織込まれているため、今買増しをするのは、時期尚早だと考えたからです。
決算短信から読み取れる情報
では、いつもどおり決算短信から見ていきます。

URL: https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/69/20190509/140120190509417938.pdf

URL: https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/69/20190509/140120190509417938.pdf
2018年の当初の計画(業績予想修正後)は下記の通りです。

当初の計画と、実際の結果を整理してみます。
- 通期決算の売上高・・・363,721百万 → 前年度に対して+5.5%(計画比+2.7%、+9,700百万)
- 通期決算の営業利益・・・138,537百万 → 前年度に対して+20.2%(計画比+11.3%、+1,400百万)
- 通期決算の純利益・・・132,759百万 → 前年度に対して+21.9%(計画比+12%、+21,800百万)
表紙の内容はざっとこんな感じでした。他の銘柄のような中型・小型株より数字の桁数が多く慣れていないので、確認するのにちょっと手間取りました(笑)
まぁ、なんにせよ好決算であることには変わりません。安心して決算短信を読み込んでいけます。
さて次は、決算説明会の資料からも情報を得ていきましょう。
決算説明会資料

URL: https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/d4/20190509/140120190509419672.pdf
ロイヤリティ収入がかなり大きな比率を占めるんですね。
ロイヤリティ収入とは、特許などの使用許可で得られる収入のことです。
例えばハイブリッドエンジンで世界を席巻するトヨタが先日、ハイブリッドに関する自社の主要特許を無償開放しましたよね。
これまでは、競合他社がハイブリッドを作りたいものの万が一トヨタの特許に抵触する場合は使用許可を得る必要がありました。これを認めれば代わりにトヨタは対価としてライセンス料を得ることができました。このライセンス料のことをロイヤリティ収入と言います。
つまり、塩野義製薬は自分たちで開発した医薬品を他国へ輸出する際には、商品としてではなく、商品を構成する製薬(特許)技術を輸出しているということになります。
製薬の元となる技術は世界中から評価されている一方、自社で製薬を海外で直接販売する「販売チャネルが弱い」もしくは「ブランド力が弱い」可能性があり、収益体質として課題として残る一方でさらなる飛躍の余地が垣間見えます。
技術だけ売る会社ももちろんありますが、自動車メーカーは技術だけ売ることはしませんよね。技術だけでは利幅が限定されますし、ブランド認知が十分になされないと永続的に発展するのはかなり難しいですからね。

URL: https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/d4/20190509/140120190509419672.pdf
何も言うことはありません。「絶好調」です。会社が想定していた業績予想もコンセンサス予想も上回りました。(コンセンサス予想は外部情報なので、決算資料にはもちろん掲載されていません)
さて、コンセンサス予想という言葉を初めて使いました。
私も勉強中の見習いの「自称個人投資家」ですので、このブログを通じて学びたいと思います。コンセンサス予想とは下記を表すようです。
コンセンサス予想は、マーケットにおいて支配的になっている予想(数値等)をいいます。これは、元々は、株式市場において、上場企業の利益やレーティングなどを対象に、アナリストが予想したものを集計・平均したものを指し、例えば、ある企業の公表した利益がコンセンサス予想と大きくかけ離れていた場合は、サプライズとなって株価が大きく変動することが多いです。また、昨今では、株式以外に、金利や外国為替の動向、マクロ経済指標などについても、調査・公表されています。
引用元: 金融情報サイト iFinance
一般にコンセンサス予想は、専門家による予想の平均値や最頻値を提示したものに過ぎませんが、予想同士を結合することにより予想精度が高まることは立証されています。また、様々な視点から見た専門家の意見の集約であり、また市場の雰囲気を知ることができるという利点もあり、市場参加者の多くが参考にしています。ただし、過去を振り返って見た場合、コンセンサス予想が常に正しいわけでなく(専門家でも読み違えることは珍しくなく)、投資で成功するには、やはり独自の相場観や判断力が大切になります。
URL: https://www.ifinance.ne.jp/glossary/investment/inv304.html
良い決算の定義とは?
なぜコンセンサス予想という言葉を用いたか?というと、ツイッターでフォローしている、その道のプロ中のプロである広瀬隆雄氏のツイートに下記の内容が投稿されたからです。
良い決算の定義 = 3つの情報が予想コンセンサスを上回ること
- EPSがコンセンサス予想を上回る
- 売上高がコンセンサス予想を上回る
- ガイダンスがコンセンサス予想を上回る
この1、2、3全てがパーフェクトにOKな決算「だけ」を指します。ひとつでも取りこぼしがあればそれは「悪い決算」です。
https://twitter.com/hirosetakao/status/1125036380718022656
この後のツイートで、この定義は氏自身が決めた定義ではなく、ウォール街の常識であると説明し、決算発表後の株価の急落・急騰はほとんどの場合、「悪い決算」「良い決算」が原因であるとも述べられています。
なお、この「良い決算」の定義は、僕の主観ではなく、ウォール街の常識であり、すべての機関投資家がこれを基準にトレードしています。
決算発表後、株価が急落するケースが良くありますよね? そういう場合、ほとんどが「悪い決算」です。
決算発表後、株価が急騰するケースもしばしば見られますよね? そういう場合、ほとんどが「良い決算」です。
引用元: 広瀬隆雄氏Twitterより
https://twitter.com/hirosetakao/status/1125036380718022656
こういったプロが、丁寧な解説とともにタダで教えてくれるネット、SNSの時代に株式投資始めてよかった。
もちろん有益な情報を探し出すひと手間、そして、どう取り入れて実践して自分の知識と経験値にするかは受け手次第ではあります。
ちなみに広瀬隆雄氏がなぜ無料で丁寧に投資の世界を教えてくれるかというと、氏いわく「ツイ廃(ツイッター廃人)だから」だそうです(笑)。
次はKPIです。KPIについては先日のルネサンスの決算レビューのエントリーで触れましたね。

URL: https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/d4/20190509/140120190509419672.pdf

URL: https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/d4/20190509/140120190509419672.pdf
シオノギ製薬のKPIは上記のような指標だったんですね。なるほどなるほど。

URL: https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/d4/20190509/140120190509419672.pdf

URL: https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/d4/20190509/140120190509419672.pdf
この増減要員の資料めちゃくちゃ株主に対して親切ですよね。
一つ一つに要員が記載されているんですよ。一方で残念なのは、情報として受け取れるだけの能力が私にまだ備わっていないことです。。うぐぐ。
2019年度の業績予想

URL: https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/d4/20190509/140120190509419672.pdf
2019年度の予想は前年に対して営業利益が+6%の増益を見込み、売上高と純利益は2018年度から微増を予想しています。
なお、コンセンサス予想は5月17日時点で営業利益138,000百万、経常利益161,000百万でした。
コンセンサスに対して会社予想(業績目標)の方が強気であるということです。

URL: https://disclosure.ifis.co.jp/data/disclose/d4/20190509/140120190509419672.pdf
上期は減収減益を予想しているが、通期ではしっかり目標達成できる見込みですよーと言っています。
最後に
これまでの塩野義製薬の業績発表は、期中にプラス側に業績修正をかけることが多く、割と「悲観的に、確実に達成できる業績予想を慎重に立てている」印象があります。
今期もそのようなサプライズがあるといいなと思い、次の決算発表を楽しみにホールドしていきたいと思います。
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