中長期投資において保有銘柄は、「いつ買い」「いつ売る」べきか(その2)

さて、前回記事の続きです。

前回は「買い」について述べましたね。

「買い」の結論
結論①:中長期投資においては「いつ買っても良い」

このような結論でした。超シンプル。

今回は「売り」について自身の考えと実際のアクションを紹介してみたいと思います。

個人的には「売り」の方が難しいと考えていますし、実際そのように実感しています。

結論②:中長期投資に「機械的な損切り」の概念はない

中長期投資の上記の結論の説明の前にまずは別の運用手法で、プロでも個人投資家でもメジャーな「デイトレード」「スイングトレード」から触れてみます。

短期のデイトレ、スイングにおいては「株価の変動に対する損切り(ロスカット)」に対して、厳しく・機械的にコントロールすることが最も重要であるということが市場参加者の共通認識であり、「負けにくい投資」につながると言われています。

そんなデイトレ、スイングトレードにおける代表的な損切り方法はこんな感じの損切り処分でしょうか。

  • 買い値を割った瞬間に「損切り」(同値撤退に近いイメージ)
  • 期待リターンの1/3〜1/2に相当する価格まで下げたので「損切り」(目標収益から逆算してロスカット幅を決めるやり方)
  • 買い値に対して1%下げたら「損切り」(銘柄ごとで重み付けを変えたり、取引期間で変動幅の許容値を大きくしたりなどもある)

運用システムに忠実に従いトレードを実践するシステムトレーダーにおいては、一切の裁量(状況に応じた判断)を用いず、過去のマーケットの事実を根拠に知っていした数値で、パンパン切り落としていきます。感情が入らない分、損切りするストレスは発生しません。

(一方で個別最適は困難なので、「え!?この局面でこの銘柄損切りしちゃうの??なケースに出くわしても、システムに従うほかないという。ザラ場をずっと見てるのは心臓に悪そうなので、シストレは兼業投資家と相性がいいのかも)

それでは中長期投資に移ります。

実は、ファンダメンタルズ(会社の業績や財務状況をベースに投資行動を決定する)をベースとした中長期投資においては、「機械的な損切り」という概念はありません。

丹念に銘柄を調査して「素晴らしい銘柄」を「適正な価格で購入」したのであれば「売却すべき(利益確定すべき)理由がない限りホールド」することが王道です。

なんだか不思議な話だけど、損切りってないんですよ。結果としてマイナス利益となってしまった場合に、「損切り」という表現にするならば、それは損切りなのかもしれませんけど。

いつ売るか? マコクロ は3つの基本原則に従う

以下のようなシチュエーションにおいては、中長期投資家は保有銘柄の評価額がプラス(リカク)であろうがマイナス(損切り)であろうが、速やかに売却処分を行う必要があります。

  1. 会社に変化が生じた(割高になった:買われ過ぎた(高PER)、成長が鈍化し稼ぐ力が衰えた(EPS低下)、悪材料が発覚したほか)
  2. 市場に変化が生じた(競合他社の出現、市場飽和、ゲームチェンジ、リセッション)
  3. 他に素晴らしい会社が見つかった(集中投資メインなら)

他には「自分の投資判断が誤っていたことに気づいた」というのもあるかもしれません。(私はほとんどこのケースかも、、)

分割決済(分割利益確定売り)という考え方

前述の3つの原則をベースにしながら、「分割決済」も心がけています。

  • 買い付け価格の2倍高になったら半分売る(投資額は回収できたのであとはプラスしかない)
  • 買い付け価格の2倍から3倍となっていく過程で1/3〜1/2ほど徐々に売り抜けていく

「途中で半分も売ってしまったら、その後その銘柄に突如現れるサプライズによって生じる10倍高(テンバガーと呼ばれます)の恩恵が半減してしまうじゃないか!」

その通りです。

「一切売らずに半永久的にホールドする」

これがほぼ実践できているのはウォーレン・バフェットくらいだと思います。

私はあの偉大な投資家のような会社への深い分析力や恐ろしく強い握力(胆力)は持ち合わせていないので、私は私なりの心地よい売買で「大きく負けず、マーケットから退場しない」ことを念頭に行動しようとすると、上記のようなアクションが現状では心地よいのです。

なお、5月に売却したイートアンドは前者で半分売った後のものででした。そして、先日400株を売却したトレファクは、後者に該当します。

それと例外かもしれませんが、5月に100株ほどリカクしたマニーのように「NISAの期限前に売る(売却益の非課税の恩恵を享受する)」というのもあります。

結論③売買ルールに正解はなく、自分にしっくりくることが大切

特別な売買ルールを決めておらず、「自分が納得したら売り(利益確定)」という手法で、適宜、キャッシュを積み増して調整・暴落時に向けて準備し、再びその局面で買いを入れるスタイルで、大きな資産を築き上げている個人投資家の方もいます。

私も上記で「ファンダメンタルズにおける中長期投資での売り方」を紹介しましたが、実際のところは多くの場合で「自分の判断が誤っていたことによる売り」をこれまでは占めていました。

最近、少しずつですが、自分なりの基準で売買ができるようになってきています。

私にとって大切なのは、「自身が毎日ドキドキハラハラして仕事に手に付かないような銘柄を保有したり、売買をしない」ことなのだと思います。

ドキドキ・ハラハラも株式投資の魅力の一つであるので、上記はあくまで自分にとっての株式投資との向き合い方です。

心おだやかに落ち着く範囲で、「ちょっとずつ買って」、「ちょっとずつ売ってみる」、この経験の積み重ねが、自分の売買のスタイルを形成していくものだと考えています。

経験と反省が理想の姿に近づけていく

前述でも少し紹介しましたが、これまでたくさんの銘柄選定でのミスや運用面での反省(とっくに売却処分すべき銘柄なのに塩漬け、一部リカクが望ましい局面で見送り)がありました。

頭ではわかっていても、いざ銘柄を保有すると、書いや売りの行動を合理的に起こせないことが多々あります。

「あれ?この局面、他の銘柄で過去に経験したことがあるぞ」

過去の経験が次の局面で活かせるようになれば良いのです。何度も似たようなケースに遭遇すると、ちょっとずつですが一歩踏み出すことに対する躊躇が解消されていきます。

売買タイミングより大切なのは、強制終了で相場から退場しないこと

これに尽きます。

マーケットから退場さえしなければ、勝てる可能性が残るのです。

売買ルールは資産を形成する上で効果的に役割を果たす可能性はありますが、あくまでも局面での戦術です。

「負けにくい投資行動をとる」

そのために投資戦略が重要なのはいうまでもありません。

今回の記事から話が脱線してしまいますが、大切な考えなので改めて過去記事リンクを載せておきます。